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2008年11月14日 (金)

がん統合医療 鹿児島フォーラム2008

 カール・サイモントン。オレゴン医学大学放射線科卒業。オレゴン医学大学卒業後研修医として3年間の任務を遂行する間、心理的介入ががん治療に大きな影響を及ぼすことを認識し、現在のサイモントンプログラムの基盤を創りあげる。カリフォルニア州サイモントンがんセンター所長。

 11月8日に鹿児島県医師会館で、がん統合医療フォーラムが開かれました。メディポリス医学財団の主催で、原田美佳子先生とカール・サイモントン先生の講演があったのですが、統合医療・代替医療の勉強をしていると必ず出てくるサイモントン先生の話が直接聴ける機会など早々あるものではないと思っていたので、出かけていきました。

 サイモントン先生が英語で話したものを、サイモントン療法認定トレーナーの川畑伸子さんが日本語に通訳していく形で、1時間半ほどの講演でした。そんなに難しい単語は使っていないし、ゆっくり話をされたので、通訳の前に理解できる部分も結構あり(勿論全部は聞き取れないけど)、穏やかな話し振りのサイモントン先生と明るくてきぱきと必要な言葉を足しながらの川畑先生の話は、時間を忘れさせてくれるものでした。

 話の内容自体は、代替医療を学んでいれば良く耳にするもので、新しい発見とかはなかったのですが、放射線療法を施しても治る患者と治らない患者がいる事を体験したサイモントン先生が、一人の釣り好きの患者さんに、いつでも望ましい結果をイメージさせる事、この人にとっては釣りに行って毎回大漁である結果をイメージする事ですが、それを、がん治療に臨んで、やってもらった話から始まりました。釣り好きの患者さんが、毎日釣りに行って大漁であったイメージを持ち続けて、放射線療法を受ける。大漁のイメージを日常的に続けて放射線療法を受けた結果、6週間後の検査では、がん細胞がきれいに無くなっていたのです。さらに驚くべきは、通常の放射線療法では避けられない副作用が全く無かったのです。この事をきっかけに、サイモントン先生は、患者さんの思い、考え方が、病気の結果を左右する事を実感し、サイモントン療法を始めたのです。

 思いが、病気を治す大きな要因である事と同時に、病気の原因もまた思いであるという話もされました。ただ、病気になって悲しむのではなく、病気は恵みであり、病気になった事で、メッセージを貰っている事を気づいて欲しいと、つまり、病気の種となる不健全な思考が自分を支配しつつある事を気づくこと、それを病気が知らせてくれているのです。このあたりは、倫理法人会の教えとも全く合致します。

 倫理法人会では、『肉体は精神の象徴、病気は生活の赤信号』と教えてくれます。病気は困ったもの、人生の苦しみなどではなくて、ありがたい自然の注意、天の与えた赤信号であるから、喜んで受けて、間違いを直すべきであると。病気の根本である心の暗影(生活の無理なところ)を切り取ってしまって、朗らかなゆたかなうるおいのある心になれば、肉体は、自然に、すぐに、直ってしまうものであると。サイモントン先生が、病気は恵みであると言い、思い・考え方を変える事で病気は治ると言っている事と全く同じなのです。

 思いを変える為の具体的な方法として、サイモントン先生は、意識的な呼吸を薦めていました。意識的な呼吸は、生命エネルギー、すなわち気を高める効果があるのです。また、意識的な呼吸をする事は、今に集中できますし、自分に集中できます。過去や未来ではなく、今に集中する事が大事なのです。私達は元々、本質的には、健康な存在であり、エネルギーを高める事は、自分の本質に帰る事であり、それは自分自身に喜びをもたらす事なのです。

 全ての人は、日々の生活の中で、必ず失敗を犯します。完全な人間がいないように、失敗しない人間はいないのです。しかし、失敗したからといって、その人が人生の失敗者である訳ではありません。起こしてしまった失敗をいつまでも引きずって、マイナスイメージから抜け出せない人が、本当の失敗者になるのであって、起こってしまった出来事自体を変えることは出来ないが、その出来事の捉え方を変える事が、不健全な思考から健全な思考への切り替えであって、病気にならない健康な生き方に繋がる訳です。サイモントン先生が直接こう言った訳ではありませんが、私はそのように捉えました。

 医聖ヒポクラテスの言葉にも、『全て頭から来る。頭だけから来る。』というものがあるそうです。思いが先行するのです。しかし、現実問題としては、否定的な感情を抱いている患者さんの思考を如何に効果的に変えていくかという事が難しい訳です。これを、医学的には『認知療法』と言い、70年の歴史があるそうです。この事を、千年以上の歴史がある仏教の世界では『思考変容』と表現します。

 喜びをもたらすものとしては、人間関係・自然との関わり・心の平安をもたらすものの3つをサイモントン先生はあげました。こうしたものを通して、希望をはぐくんでいく事が、否定的な感情を肯定的なものに変える道であり、希望とは、得たい結果が得られると信じる事なのです。

 ただ、希望は、往々にして執着となりやすく、似てはいるが異なるものだとはっきり認識して欲しいとも言っていました。得たい結果が得られると信じる事は同じでも、執着には、しがみつく感情があり、失敗に対しての恐れを伴います。なるほどなと思いました。

 また、生きる事を考える事はすなわち、死を考える事とも同じであるとも言っていまして、死に対する健全な捉え方をすべきであると言っています。死とは、自然であり、人間の本質にかなっている事、今日死んでも良いと思って生きる、つまり、昔の日本の侍のような気持ちで、サムライ魂で生きる事、それが重要であるという話で1時間半の講演を終わりました。

 まあ、書ききれなかった事を含めて、結構有意義な時間でありました、ハイ。ではまた。
 

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